現代社会の若者における『キレる』について、俺なりの考察を述べたいと思う。
よく一般的に『現代人は感情表現がヘタである』とか『コミュニケーションが不足している』とか言われているようだが本当にそれだけが原因なのだろうか? また、これらの現象は何が起因しているのだろうか?
『キレる』のは、どうやら自分の意見が通らない、分かってもらえない、伝わらないなどによる『意思疎通の決裂』にあるようだ。 なるほどコミュニケーション不全が原因であるとする考えはあながち間違っていないようにも見える。が、なぜコミュニケーション不全となったのか、については言及されていない。まさしく“木を見て森を見ず”といった状態だ。
思うに、このコミュニケーション不全の原因となったのは、インターネットや携帯電話を媒体とする『顔を合わせない関わりあい』に対する慣れ、つまり表情や空気による間を汲み取る能力の衰えが起因しているのかも知れない。 つまり、文字や声のみという限られた情報から相手の感情や意思表示を解釈しなければならない為、必然的に情報が不足している部分は自分の憶測に頼らなければならない。結果、それは好意的、あるいは悪意的に解釈するようになる。
これが習慣的になると、プラス思考の人は無意識下で自分は恵まれていると感じる事により生活に対する不平不満を和らげるようにする癖がつく。いわゆる多幸症に近い症状でもある。
が、いずれそれと現実とのずれに混乱し、『なぜか分からないがキレる』という結果を生み出す。
また、マイナス思考の人は被害妄想に近い感情を持つようになり、怯えながら人と接しようとする癖がつく。が、『我慢が出来なくなりキレる』という状況に陥る。
こんな哀しい事が日常的にならないように人はもっと語り合わねばならんのだ。
著者:香助総支配人 マルマル関西【カスケが斬る!】