これは夢じゃない、と証明できるのか。他の人の証言があればそれが証拠になるかもしれないが、その他の人が夢の中の登場人物ではないという証明が必要となる。実際に、何かを食べてみて、味わうことで夢でないと明かすことができるだろうか。食べたつもりになって食べた記憶を作り上げたのではないと証明するすべがない。いや、料理をしたあとがあるから、といってもそのまな板もつじつまのために捏造された虚像であるかもしれない。つねってみても同じこと。痛いと感じたのだろうか。痛いと思うイメージでそれを事実であったかのように記憶を摩り替えているのかもしれない。そもそもつねったことを証明することもできない。コップが割れる。割れたのか。コップが割れたと思うことで割れた結果のコップの欠片のビジョンがそこに出現しているのかもしれない。そもそもコップは落としてないのかもしれない。そのまえにコップを手に取ったかどうかさえ証明できない。コップを掴んだかもわからないのに夢であるかどうかを判断するなんて事は到底不可能としか言えないわけである。
著者:香助総支配人 Yukai life【カスケが斬る!】