人を信じる、なんてことは生きてる中でよく出てくる課題だよな。「信じるべき相手か」「それに値する相手か」なんてのを見極めるってのは非常に重要なことだが、それとは別に沸きあがる感情があるのよ。信じる内容にもよるけどさ、例えば、「自分を裏切らない」って信じること。その人の人間性を信頼し、尊重している感情だとは思うんだ。上司、友人、恋人とか。この人は俺を裏切らない。この人は信じていい。信じよう。そう思う気持ち、ってあるよね。でも、逆に「俺はこの人が『俺を大切に思っているはずだ』と思いあがってるんじゃないか」って感情も生まれる。俺はその人にそこまで大事にされる人間なのか? 俺が信じる、って感情とはまた別の次元の話だよな。この人は親友だ、と信じるってことは、逆を返せば、「こいつも俺を親友と思っているはずだ」っていう自信の表れかもしれないし、この人が浮気をせずにまっすぐ俺だけをみてくれる、と信じるってことは、つまり、自分は「他に興味を持たれない魅力があって、まっすぐ見てもらえる人間」だと驕ってるってことのような気がするんだ。もちろん、それは考えすぎで取り越し苦労のような気がせんでもないんだが。
著者:香助総支配人 Yukai life【カスケが斬る!】