「こんなに愛しているのに」とある人は言った。カスケです。考えてみたんだが、そもそも「愛」ってなんだ? 現在英語の「Love」の訳語に「愛」が当てられている所為か「Love」と同義語のように扱われているような節があるな。つまり、「俺はお前に好意的感情を持っているぜ」というか、そんな感じ。『自分』が『相手』をどう思っているのか、ってところが主点ね。本来の日本的「愛」ってのは、「自分から相手への感情」という部分に留まらず、それから生まれる「相手のためを考える気持ち」をも含んでいたと思うんだよ。例えばさ、本人の経験のためにあえて手伝わない、とか重荷になりたくないから身を引く、とかさ。相手を慈しむ気持ち、とかそんな感じ。ところがどうだ。Loveと同一視されてる現在の愛ときたら「相手のことを思う気持ち」という『自分の視点』のものに摩り替わってしまっているわけだ。似てるけど違う。だから、「こんなに俺がお前を好きなのに」「これほど大切にしているのに」と、自分の気持ち、自分の想い、自分の独占欲が前面に出てるわけ。愛したいのは自分なんだろ? じゃあ「相手のために」なんて気持ちは捨てろ。きっとそうすりゃ想いは伝わるさ。
著者:香助総支配人 Yukai life【カスケが斬る!】