なんかさ、「涙は見せない」って美学があるじゃないか。カスケです。男の美学として古くから伝わるものだ。昨今では「『女だから』って甘えるのはずるい」とかなんとか言って「涙は見せない」なんてことを実践してる女性もいるよな。でもさ、そもそも美学ってのはなんだ? って話で。例えば「武士は食わねど高楊枝」とかそういうのは自らのプライドを守るためのやせ我慢なわけだよな。美学ってのはその人間を形成する重要な要素であることも確かだし、誇り、尊厳ってのは守るべきものだろうとは思う。しかしだ、弱音は吐かないってことだけにこだわって、結局ストレスを溜めて、憂鬱になって、人に八つ当たりをして。そんなのお前のエゴじゃないか。お前を愛する人たちの差し伸べる手を振り払って、それでお前は満足だろうな。だけど、それは悲しいことだよ。「自分らしさ」の表現である自分の美学は、周りを傷つけるためにあるんじゃない。「涙は見せない」それは強さ。でも、「弱い自分を認められない」弱さでもあるんだ。涙によって強さを得られるのなら、流してみたっていいんじゃないか? そしたら今度は誰かの涙を救ってあげて、そうして尊い誇りを守っていくんだ。
著者:香助総支配人 Yukai life【カスケが斬る!】